よくあるご相談
1.相手が感情的になっていても弁護士に依頼できる?
- 遺産
- 遺産分割
- 実家
父が亡くなりました。相続人は兄と私の二人です。
遺産である預貯金約4000万円と評価額6000万円以上の実家不動産を誰が相続するかについて話し合いをしました。実家不動産について、兄は4000万円台の低い評価額を出してきました。推測ですが、兄は、預貯金は私に譲る代わり実家不動産を安く取得して、リフォームをした上で、高く売るか賃貸に出したいのではないかと思います。
私は不動産屋さんに査定してもらって、実家不動産に6000万円以上の評価額が付くことを説明して兄に示したところ、怒りだしてしまいました。兄はいつも高圧的なのに、ますます高圧的になり、スムーズに話し合いができません。このような案件であっても、弁護士さんにお願いすれば、解決することがあるのでしょうか?
2.弁護士からの回答
2-1実家不動産を賃貸に出して売却した評価額
不動産評価額は、日々変動していますし、評価方法は複数あり、不動産業者によっても評価額は異なります。賃貸に出したあとで実家などを売却する場合には、次のように計算することがあります。
例えば、毎年5%の割合で建物の価値等が下がっていき、それが賃料に反映されるとします。そして、賃料が年間120万円で10年間賃貸をして、11年目に6000万円で売却するとします。
収益還元法の一つであるDCF法(※1)では、120万円÷(1÷0.05)^10で、10年分の賃料の割引現在価値は1062万円。10年後の実家不動産の現在価値は、5%の割引率で3683万円ですから、賃料と売却を合わせた現在の価値は、4745万円です。さらに500万円のリフォーム代を引くと実家不動産の評価額は4245万円になります。
推測ではありますが、お兄様が提示したのはこのような計算によるものと思われます。
金利5%の銀行に100万円を1年間預けると、100万円×(1+005)で105万円です。1年後の105万円は、105万円÷(1÷0.05)で現在100万円といえます。
2-2弁護士に依頼しての遺産分割手続
ご相談をお伺いするかぎり、お兄様は賃貸に出した上で売却を見込むなど、計画性が高いように感じました。そのため、ご相談者様との遺産分割協議に応じる可能性は低いと思われます。弁護士を通じて、遺産分割手続きをするのがよいとお伝えしました。
なお、ご依頼いただいた後の流れとしては、弁護士がお兄様に配達証明付きの内容証明郵便をお送りして、弁護士とお兄様が遺産分割協議を行います。
2-3もめている案件こそ弁護士
ご相談者様は「高圧的にふるまうことで、弁護士に迷惑がかからないか」とご心配なさっていましたが、当事務所を含めて法律事務所や弁護士がご依頼いただく案件は、ほぼすべて揉めています。高圧的な言動をなさる方とのコミュニケーションもスムーズに行った実績が多数あり、相続手続きが無事に完了した事案は多数あります。
弁護士に依頼することにより、コミュニケーションの負担が減り「心が軽くなった」、「相談できる味方ができた」といったお声も頂戴します。
弁護士法人シーライトでは、お相手方と粘り強く交渉し、難易度の高い相手方が居住する自宅(遺産)を売却して遺産分割できた事例もあります。もめている案件こそお一人で悩まず、お早めにご相談ください。
代表弁護士 阿部 貴之
神奈川県弁護士会所属。弁護士登録後、都内総合法律事務所、東京都庁労働局等を経て、平成27年に弁護士法人シーライトを開設。以来相続トラブルの相談実績は400件を超える。「依頼者の良き伴走者となるために」をモットーに、スタッフと共に事件解決へ向かって邁進中。好きな言葉は「二人三脚」「誠心誠意」。弁護士紹介