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相続の専門用語

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相続とは、人が死亡したときに、死者(被相続人)の有する財産を他の者(相続人)に承継させること、『遺産、相続財産』のことをいいます。
ここでは、相続に関する知識を深めていただくためにも、よく使う相続の専門用語をまとめてみました。

遺言とは、死後のために物事を言い残すことをいいます。法的な効力が認められる遺言であるためには、いくつかの要件があります。

公証役場で作成する遺言のことです。

遺言を作成し、それを公証役場に提出したことを公証役場が証明してくれる遺言になります。
遺言書の「内容」を秘密にしたまま、遺言書の「存在」のみを公証人に証明してもらいます。
ただし、遺言者は署名欄に署名すればよく、全文は代筆でもいいので、遺言者の意思に基づかない遺言書が作成できてしまう危険性もあります。

自筆証書遺言とは、遺言者が単独で作成する遺言です。
15歳以上であれば遺言は誰でも書けますが、書き方にはルールがあるため注意が必要となります。

法定相続人とは、民法で定められた相続人のことをいいます。

法定相続分とは、相続人が複数人いる共同相続において、法律の規定に基づいて各相続人が遺産について持っている取り分や割合をいいます。

相続人が複数いる場合は、遺言があれば遺言のとおりに、遺言がなければ相続人どうしで話し合いをして遺産を分けます。
しかし法律上は、被相続人が亡くなった時点で遺産は相続人全員の共有となります。これを共同相続といいます。

相続人になる見込みの者です。
相続は被相続人がお亡くなりになってから始まるので、ご存命の間は推定相続人と呼びます。

生前に被相続人に暴力をふるったり、虐待したり、重大な侮辱をしたり、ぐれて迷惑をかけたりした推定相続人に対し、被相続人は生前に家庭裁判所申し出ることにより、推定相続人の相続権を失わせる手続ができます。
これを推定相続人の廃除といいます。

故意に相続人を殺害したり、被相続人が殺害されたのにそれを告げなかったり、だましたり脅したりして遺言書を書かせたり、遺言書を偽造・変造・破棄・隠匿など悪事をはたらいた者は、相続権を当然に失います。

相続人が子または兄弟姉妹である場合、その者が相続の時すでに死亡し、または相続欠格もしくは廃除により相続権を失っていた場合に、その者に子があれば、その子が子または兄弟姉妹に代わって相続することをいいます。

指定相続分とは、被相続人が遺言で自由に相続分を指定することを言います。ただし、遺留分を侵害することはできません。
なお、遺言による指定相続分の定めがなければ、法定相続分で相続財産を分け合います。

被相続人は自由に遺言ができるので、「全財産を〇〇に渡す」など遺言書に書くこともできます。しかし、財産相続には夫婦財産の精算の側面や生活保障の側面もあるので、生活ができなくなると困ります。
そこで、相続人に一定の相続分を留保するというのが遺留分という制度です。

遺留分侵害額請求権とは、遺留分を侵害された相続人が、贈与または遺贈を受けた者に対して、その財産の取り戻しを請求することをいいます。
なお、法改正(2019年7月1日施行)により、遺留分減殺請求は、「遺留分侵害額請求」と呼ばれるようになりました。

相続人が、相続人以外で財産を取得した(とされる)者に対して、相続権を侵害された事を主張し、財産の返還を請求する権利のことをいいます。

被相続人が遺言によって遺産を相続人やそれ以外の人に贈ることをいいます。

共同相続において、いったん相続人全員の共有財産となった遺産を各相続人に、法定相続分や指定相続分に応じて分割し、遺産(相続財産ともいいます)の帰属を決めることをいいます。

複数人いる相続人のうち、被相続人から遺贈を受けたまたは、生前に婚姻、養子縁組のため、もしくは生計の資本として贈与を受けた相続人をいいます。

複数人いる相続人のうち、被相続人を看病したり、介護したり、被相続人を助けるために労働をしたりして被相続人の財産に貢献した者(他の人に払うべきところ支出をせず、財産を減らさなかったことも含みます)に対して支払われる一定の補償をいいます。

相続が開始した後、相続人は相続をするかしないかを決めることができます。相続をすることを相続の承認といいます。

相続人がなんの留保もなく、被相続人が残した一切の権利義務、相続財産(遺産ともいいます)を承継することをいいます。

被相続人の遺産の中に、マイナスの遺産(負債)がある場合に、被相続人のプラスの遺産(資産)の範囲内に限って、マイナスの遺産を負担するという内容で、相続することをいいます。
相続人は、原則、被相続人のプラスの遺産とマイナスの遺産の両方を引き継ぎます。プラスの遺産がマイナスの遺産よりも多い場合は、通常はそのまま相続すればよいと思いますが、マイナスの遺産がプラスの遺産よりも多い場合は、相続を放棄することができることを言います。

相続開始後に被相続人が残した財産を相続人が相続しないことをいいます。

相続財産と相続人の固有財産との混合を防ぐため、一定の者(相続債権者・受遺者・相続人債権者)の請求により、相続財産を分離して管理し、精算する手続をいいます。
財産分離には、第一種と第二種があります。
第一種財産分離とは、相続債権者または受遺者の請求によって財産分離がされる場合をいい、 第二種財産分離とは、相続人債権者の請求によって財産分離がされる場合のことをいいます。
また、財産分離の制度は、限定承認に類似しているように思われますが、限定承認は,相続によって不測の損害を受けるおそれのある相続人を保護する制度であり、財産分離は,相続によって損害を受けるおそれのある債権者を保護する制度という違いがあります。
さらに,限定承認は,相続財産にマイナス分がある場合、またはそのように疑われる場合に利用する制度です。
他方,財産分離の場合には,相続財産がプラスである場合にも利用されます。
ちなみに、相続人が相続放棄や限定承認をした場合であっても、財産分離を申立てることができます。
また、財産分離の申立てがされた場合であっても、相続放棄や限定承認をすることはできます。

被相続人が亡くなったときに、相続人がいないことをいいます。

相続人ではないけれど、被相続人と特別な関係にあった人のことです。
たとえば、内縁の夫や妻、事実上の養子、献身的に看護してきた人などが特別縁故者に該当します。
被相続人が遺言を残していない限り、相続人以外の人が被相続人の財産を引き継ぐということは通常はありません。しかし、特別縁故者に該当すれば、被相続人の財産を全部または一部を受け取れることがあります。

遺言書のとおりに、きちんと手続や遺産分割が行なわれるように、手続を行なう人です。

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