よくあるご相談
1.代償分割・代償金って何ですか?
- 実家
- 不動産の現金化
- 遺産分割
夫が亡くなりました。相続人は私と息子の二人です。夫の主な遺産は6000万円相当の自宅不動産です。
私には、息子と娘がいます。娘はすでに相続放棄をしました。私は、遺産である自宅不動産に息子家族と同居していますが、息子の家族も忙しく、介護をしてもらう余力がないようです。迷惑もかけられないので、施設で余生を過ごすこととなりました。
私は聞いていませんが、息子によると、夫は息子に「『財産の全てを孫(息子の子)に譲る』と言っていた」そうで、そのような背景もあって、息子は自宅不動産の売却に反対しています。
私としては、施設に入所した後に色々と費用が掛かるので、遺産分割をきちんとして、今後の支払いに充てたいと思っております。
自宅不動産を売却してお金に代える方法だけでなく、息子が不動産を相続する代わりに、不動産を相続しなかった私にお金を払う「代償分割」という方法もあるようなので、詳しく教えていただけないでしょうか?
2.弁護士からの回答
遺産分割には、現物分割、換価分割、代償分割、共有分割の四つがあります。このうち、代償分割とは、特定の相続人が不動産などの現物を相続する代わりに、他の相続人に相当の金銭(代償金)を支払う遺産分割の方法です。
メリットとしては、特に農業用地や事業用の不動産をそのまま相続できるメリットがありますので、スピーディーに農業用地などを承継したい農家や経営者の方にはメリットが大きい遺産分割の方法です。
また、代償分割に限りませんが、相続税の「小規模宅地の特例」の要件の一つに、相続人が被相続人と同居していたことがあります。そのほかにも要件はありますが、これが使えるのであれば、税法上のメリットもあります。ただ、デメリットとしては、まとまった現金が必要です。
弁護士法人シーライトでは、相手方が居住する自宅(遺産)を売却して遺産分割できた実績があります。お気軽にご相談下さい。
代表弁護士 阿部 貴之
神奈川県弁護士会所属。弁護士登録後、都内総合法律事務所、東京都庁労働局等を経て、平成27年に弁護士法人シーライトを開設。以来相続トラブルの相談実績は400件を超える。「依頼者の良き伴走者となるために」をモットーに、スタッフと共に事件解決へ向かって邁進中。好きな言葉は「二人三脚」「誠心誠意」。弁護士紹介