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1.遺産の「使い込み」と遺産分割協議に関するご相談

  • 遺産分割

兄弟が亡くなりました。相続人は私ともう一人の兄弟です。私が知っている限り、相続財産は現預金2000万円です。もう一人の兄弟は、無職でお金があまりありなく、行政書士に相続手続を依頼しています。
亡くなった兄弟は、もう一人の兄弟に印鑑と通帳を預け、介護や日常生活費の支払いなどを任せていました。不審な預金の引き出しがあり、これは使い込みに違いありません。これ は横領罪になりませんか?

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※ 当事務所で実際にご相談を承った事案ですが、プライバシー保護やわかりやすくお伝えするために、内容が大きく変わらない範囲で、事実関係を変更しています。

2.弁護士からの回答

高齢のご相談者様でしたので、いつも以上に分かりやすく丁寧に説明しました。結論としては、家族や親族内のお金のやりとりですから、検察が起訴しない可能性が高いです。
刑事法と民事法の違いは、なかなか分かりにくいものです。会社のお金を使い込んだ話であればニュースでしばしば耳にしますが、家族のお金を使い込んだというニュースや新聞 記事はあまり見たり聞いたりしません。
「使い込み」は確かに問題ですが、家族内の問題であり、警察が事件として捜査し、さらに検察が起訴し、裁判所が有罪と判断し、「刑罰を加える」ことはまれだと思われます。
しかし、それは国家が刑罰を加えるかどうかの刑事の話であり、民事はまた別です。使い込んだ分を遺産に加え(遺産に戻す)たり取り戻したりすることは、使い込んだことが立証できれば、遺産分割協議の交渉や民事裁判を通じてできる旨をご説明しました。


弁護士 阿部 貴之 写真 弁護士法人シーライト

代表弁護士 阿部 貴之

神奈川県弁護士会所属。弁護士登録後、都内総合法律事務所、東京都庁労働局等を経て、平成27年に弁護士法人シーライトを開設。以来相続トラブルの相談実績は400件を超える。「依頼者の良き伴走者となるために」をモットーに、スタッフと共に事件解決へ向かって邁進中。好きな言葉は「二人三脚」「誠心誠意」。弁護士紹介

3.こちらのご相談内容に対応する当事務所のサービス

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