遺産分割協議に期限はあるの?遺産分割協議の遅れによるリスクや円滑に進めるポイントについて解説

弁護士法人シーライト

監修者 弁護士 塩谷 恭平

遺産分割協議は、被相続人の遺産をどのように分けるかを、相続人全員で決める話し合いです。遺産分割協議をする必要が出てきた場合、「遺産分割協議には期限があるのか?」「遅れるとどうなるのか?」といった疑問を持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、遺産分割協議にまつわる期限の考え方や、遅れた場合に発生するリスク、そして協議を円滑に進めるためのポイントを解説します。

目次

遺産分割協議に「法律上の期限」はあるのか?

遺産分割協議には、「〇日以内に完了しなければならない」という明確な期限はありません。遺産分割協議は、相続開始後、いつでも行うことができます。また、遺産分割協議書の作成期限についても、特に設けられていません。

民法第907条1項では、次のように定められています。

遺産の分割の協議又は審判 第907条1項  

共同相続人は、次条第一項の規定により被相続人が遺言で禁じた場合又は同条第二項の規定により分割をしない旨の契約をした場合を除き、いつでも、その協議で、遺産の全部又は一部の分割をすることができる。

もっとも、被相続人は、遺言で遺産分割を一定期間禁止することができます。この場合、禁止できる期間は、相続開始の時から最大で5年間です。

また、相続人全員の合意により、5年以内の期間を定めて遺産分割をしないことを合意することもできます。ただし、遺産分割をしない合意を更新する場合でも、相続開始の時から10年を超えることはできません。このようなケースとしては、共同相続人の中に未成年者がいるため、成人後に遺産分割協議を行うことを見込んで、一定期間、遺産分割をしない合意をする場合などが考えられます。

さらに、家庭裁判所が、5年以内の期間を定めて、遺産の全部または一部について分割を禁止することもあります。これは、共同相続人が家庭裁判所に遺産分割を請求した場合に、相続人や相続財産が確定していないなど、直ちに遺産分割を行うことが妥当でない特別の事由があるときに問題となります。

このように、遺産分割協議そのものに明確な期限や時効はありません。もっとも、相続税申告、相続登記、相続放棄、特別受益・寄与分の主張など、相続に関連する手続には期限や制限があるため、遺産分割協議は早めに進めることが重要です。

遺産分割に関連する手続の期限について

「遺産分割協議は10年以内にする必要がある」といわれることがあります。

これは、遺産分割協議そのものに10年の期限が設けられたという意味ではありません。民法改正により、相続開始から10年を経過した後の遺産分割では、原則として、特別受益や寄与分を考慮した具体的相続分による分割ができなくなるためです。

そのほかにも、遺産分割に関連する手続には、さまざまな期限があります。ここでは、代表的な手続と期限について解説します。

【7日・10日・14日以内】死亡届や年金受給停止などの行政手続

相続が始まると、遺産分割の話し合いよりも先に行わなければならない行政手続が複数あります。

具体的には、死亡を知った日から7日以内の死亡届の提出、年金受給停止の手続、健康保険や介護保険に関する手続などが挙げられます。

年金に関する手続の期限は、年金の種類や状況によって異なります。期限が短い手続もあるため、葬儀の準備と並行して、必要な行政手続を確認し、速やかに進めることが大切です。

【すみやかに】遺言書の有無の確認と相続人・財産の調査

遺産分割協議をスムーズに始めるためには、前提となる情報の整理が不可欠です。

まずは、有効な遺言書があるかどうかを確認します。遺言書がある場合、原則として遺言書の内容が優先されます。もっとも、遺言書に記載されていない財産がある場合や、相続人全員が合意して遺言書と異なる分け方をする場合には、遺産分割協議が必要になることがあります。

また、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本などを取得し、相続人を漏れなく確定させる必要があります。

あわせて、預貯金、不動産、有価証券などのプラスの財産だけでなく、借金、ローン、未払い税金などのマイナスの財産も含めて、相続財産を調査・特定します。

相続放棄・限定承認の期限は3か月

相続人は、原則として、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に、単純承認、相続放棄、限定承認のいずれかを選択する必要があります。

相続放棄とは、被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も一切引き継がない手続です。相続放棄をするには、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申述し、受理される必要があります。

限定承認とは、相続によって得たプラスの財産の範囲内で、借金などのマイナスの財産を引き継ぐ手続です。限定承認も、原則として3か月以内に家庭裁判所へ申述する必要があります。また、限定承認は相続人全員で行う必要があります。

単純承認とは、プラスの財産もマイナスの財産もすべて相続することです。3か月の期間内に相続放棄や限定承認をしない場合や、相続財産を処分した場合などには、単純承認したものと扱われることがあります。

もっとも、3か月以内に相続財産の調査が終わらないなどの事情がある場合には、家庭裁判所に期間の伸長を申し立てることができる場合があります。

相続放棄や限定承認を検討する可能性がある場合には、早期に相続財産を調査し、期限を意識して対応することが重要です。

代襲相続について

代襲相続とは、本来相続人となるべき人が、被相続人が亡くなる以前に死亡していた場合や、相続欠格・相続廃除によって相続権を失った場合に、その人の子どもなどが代わって相続する制度です。

代襲される対象は、被相続人の子どもや被相続人の兄弟姉妹です。被相続人の子どもが先に亡くなっている場合には、孫が代襲相続人となることがあります。また、兄弟姉妹が先に亡くなっている場合には、甥・姪が代襲相続人となることがあります。

ただし、兄弟姉妹についての代襲相続は甥・姪までに限られ、甥・姪の子に再代襲相続は発生しません。

準確定申告の期限は4か月

準確定申告とは、被相続人の所得税について、相続人が代わりに税務署へ確定申告をする手続です。

被相続人が確定申告をする必要がある人だった場合、相続人は、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に、準確定申告と納税を行う必要があります。

相続人が複数いる場合には、原則として各相続人が連署により準確定申告書を提出します。もっとも、他の相続人の氏名を付記したうえで、各相続人が別々に提出することもできます。この場合、申告書を提出した相続人は、他の相続人に申告内容を通知する必要があります。

準確定申告が必要となる代表的なケースとしては、次のような場合があります。

  • 自営業者・個人事業主であった場合
  • 不動産収入がある場合
  • 給与所得と退職所得以外の所得の合計が20万円を超える場合
  • 給与の年間収入が2,000万円を超える場合
  • 2か所以上から給与を受け取っていた場合
  • 被相続人が亡くなる前に株式などの売買を行っていた場合
  • 被相続人が通常の確定申告をしていた場合

期限までに準確定申告を行わない場合、無申告加算税や延滞税が発生することがあります。準確定申告が必要かどうか不明な場合には、早めに税理士や税務署へ確認するとよいでしょう。

相続税の申告・納付期限は10か月

相続税は、すべての相続で発生するわけではありません。相続税の課税価格の合計額が、基礎控除額である「3,000万円+600万円×法定相続人の数」を超える場合には、原則として相続税の申告が必要になります。

相続税の申告と納税の期限は、原則として、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内です。この期限までに申告や納税をしなかった場合、延滞税や無申告加算税などが発生する可能性があります。

なお、申告期限までに遺産分割協議がまとまらない場合でも、相続税の申告期限が当然に延長されるわけではありません。その場合には、いったん未分割のまま申告・納税を行い、分割成立後に必要に応じて更正の請求や修正申告を行うことがあります。

未分割の財産については、当初申告時に配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を適用できません。ただし、相続税申告書に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付しておき、申告期限から3年以内に分割された場合には、後日、これらの特例の適用を受けられる可能性があります。

もっとも、後から税金の還付を受けるための手続である更正の請求や、追加で税金を納めるための修正申告が必要となることがあります。また、当初申告時には特例を使えないため、一時的に相続税額が高額になる可能性がある点にも注意が必要です。

配偶者の税額軽減について

配偶者の税額軽減とは、被相続人の配偶者が遺産分割や遺贈により実際に取得した正味の遺産額が、1億6,000万円または配偶者の法定相続分相当額のいずれか多い金額までであれば、配偶者に相続税がかからない制度です。

ただし、この制度を適用するためには、相続税の申告が必要です。また、原則として、申告期限までに分割されていない財産は、配偶者の税額軽減の対象になりません。

小規模宅地等の特例とは

小規模宅地等の特例とは、相続または遺贈により取得した宅地等のうち、被相続人や被相続人と生計を一にしていた親族の居住用または事業用に使われていた宅地等について、一定の要件を満たす場合に、限度面積まで評価額を減額できる制度です。

例えば、特定居住用宅地等については、一定の要件を満たす場合、330㎡までの部分について評価額を最大80%減額できます。

ただし、小規模宅地等の特例は、宅地等の種類ごとに要件、限度面積、減額割合が異なります。また、この特例を適用するためには、相続税の申告が必要です。

遺留分侵害額請求の期限は1年

遺留分権利者が、相続の開始と、遺留分を侵害する贈与または遺贈があったことを知った時から1年以内に遺留分侵害額請求を行わない場合、時効によって権利が消滅します。

また、相続開始の時から10年を経過した場合も、遺留分侵害額請求権を行使できなくなります。

遺留分侵害額請求権とは、被相続人が特定の相続人や第三者に対して多くの財産を取得させる内容の遺贈や贈与をした場合に、遺留分を侵害された遺留分権利者が、侵害している人に対して、遺留分侵害額に相当する金銭の支払いを請求できる権利です。

遺留分侵害額請求は、請求した事実や時期が問題になりやすいため、内容証明郵便など証拠が残る方法で行うことが一般的です。

【3年以内】相続登記の義務化と放置するリスク

2024年4月1日から、相続登記の申請が義務化されています。相続によって不動産の所有権を取得した相続人は、原則として、不動産を相続により取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請する必要があります。

正当な理由なく期限内に相続登記をしない場合、10万円以下の過料の対象となる可能性があります。

また、2024年4月1日より前に発生した相続であっても、相続登記が未了の場合は義務化の対象となり、原則として2027年3月31日までに相続登記をする必要があります。

遺産分割協議がまとまらず期限内に相続登記ができない場合には、相続人申告登記を利用することで、いったん申請義務を果たすこともできます。ただし、その後に遺産分割が成立した場合には、遺産分割成立日から3年以内に、その内容に応じた相続登記を申請する必要があります。

預金等債権の消滅時効は5年または10年

相続財産に銀行預金が含まれる場合、銀行預金の払戻しを請求する権利は、法律上、債権として扱われます。一般的な債権の消滅時効は、債権者が権利を行使できることを知った時から5年、または権利を行使できる時から10年です。

もっとも、実際には、金融機関が預金債権について時効を主張せず、払戻しに応じることもあります。ただし、長期間放置すると、金融機関での確認や必要書類の収集に時間がかかることがあります。

また、最後の取引から10年以上入出金などの取引がない預金口座は、休眠預金として扱われる可能性があります。預金口座があることが分かった場合には、早めに金融機関へ確認するとよいでしょう。

株式の名義変更や配当金の請求にも注意が必要

株式の相続における名義変更手続には、法律上の明確な期限が設けられているわけではありません。しかし、名義変更を行わないと、株式の管理、売却、配当金の受け取りなどを円滑に行えないことがあります。

また、未受領の配当金については、会社の定款や取扱いにより、一定期間内に請求しないと受け取れなくなる場合があります。配当金の請求期限は会社によって異なるため、株式を相続した場合には、早めに発行会社や証券会社へ確認することが重要です。

さらに、長期間にわたり株主に通知が届かず、配当金も受領されていない場合には、所在不明株主として、会社が一定の手続を経て株式の競売や売却を行うことができる場合があります。

特別受益・寄与分の主張には10年の制限がある

2023年4月1日施行の民法改正により、相続開始から10年を経過した後に遺産分割を行う場合、原則として、特別受益や寄与分を考慮した具体的相続分による分割はできなくなります。

特別受益とは、共同相続人の中に、被相続人から遺贈や生前贈与を受けた人がいる場合に、その利益を考慮して相続分を修正する制度です。

寄与分とは、共同相続人の中に、被相続人の財産の維持または増加について特別の貢献をした人がいる場合に、その貢献を考慮して相続分を増やす制度です。

特別受益の持戻しを主張したい場合や、寄与分による相続分の加算を主張したい場合には、相続開始から10年以内に遺産分割協議をまとめるか、家庭裁判所に遺産分割の請求をすることが重要です。

もっとも、相続開始から10年を経過する前に家庭裁判所へ遺産分割の請求をした場合や、期間満了前6か月以内に遺産分割請求ができないやむを得ない事由があった場合など、例外的に特別受益や寄与分が考慮される余地もあります。

その他の相続に関連する期限

死亡一時金を受け取る権利の時効は2年

被相続人が国民年金の第1号被保険者であった場合、一定の要件を満たす遺族は死亡一時金を受け取れることがあります。

死亡一時金を受ける権利は、原則として、死亡日の翌日から2年で時効となります。

生命保険金の請求権の時効は3年

被相続人が生命保険に加入していた場合、死亡保険金の請求権は、原則として3年で時効となります。

生命保険金は、受取人が指定されている場合、原則として受取人固有の財産と扱われ、遺産分割の対象にならないことがあります。ただし、相続税の計算上は、みなし相続財産として課税対象になる場合があります。保険証券や保険会社からの通知を確認し、早めに保険会社へ請求手続を行いましょう。

期限のある相続に関係する手続の一覧

期限がある主な相続関連手続をまとめると、以下のとおりです。

7日以内死亡届の提出
10日または14日以内年金受給停止などの手続
※年金の種類や状況により異なるため確認が必要
3か月以内相続放棄・限定承認の申述
4か月以内準確定申告
10か月以内相続税の申告と納税
1年以内(相続開始と遺留分を侵害する贈与・遺贈があったことを知った時から)遺留分侵害額請求
2年以内死亡一時金を受ける権利
3年以内・不動産の相続登記
・生命保険金の請求権
申告期限後3年以内未分割財産について、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例の適用を予定する場合の分割見込書に関する期限
5年または10年預貯金債権など一般の債権の消滅時効
申告期限後5年以内(通常、死亡を知った日の翌日から5年10か月以内)相続税の更正の請求期限
10年以内・特別受益・寄与分を考慮した具体的相続分による遺産分割を求める場合の期限
・遺留分侵害額請求(相続開始または遺留分を侵害する贈与・遺贈があったことを知らなかった場合の最終期限)

相続手続の期限を過ぎた場合のデメリットとペナルティ

相続に関連する多くの手続には期限があり、期限を過ぎると法的なペナルティや税金面でのデメリットが発生することがあります。

延滞税・加算税による金銭的な負担の増大

相続税の申告・納税期限である10か月に遅れた場合、本来の納税額に加えて延滞税が課されることがあります。また、正当な理由なく申告が遅れた場合には、無申告加算税などが課されることもあります。

これらは、納付が遅れるほど負担が大きくなる可能性があるため、相続税申告が必要な場合には、早めに準備することが大切です。

配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例が受けられないリスク

相続税には、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例といった、税負担を大きく軽減できる制度があります。

もっとも、これらの特例は、原則として申告期限までに遺産分割が完了している財産について適用されます。分割が決まらないまま申告する場合、当初申告ではこれらの特例を適用できず、一時的に高い税額で申告・納税しなければならないことがあります。

申告期限までに分割がまとまらない場合には、相続税申告書に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付しておくなど、後日特例の適用を受けるための対応を検討する必要があります。

遺産分割協議が必要なケースとは

遺産分割協議は、常に必要となるわけではありません。

例えば、相続人が1人しかいない場合には、その人が単独で遺産を承継するため、遺産分割協議は不要です。また、有効な遺言書があり、その遺言書の内容に従ってすべての遺産を承継できる場合にも、原則として遺産分割協議は不要です。

一方、相続人が複数おり、有効な遺言書がない場合や、遺言書に記載されていない財産がある場合には、遺産分割協議が必要になります。

なお、遺言書がある場合でも、相続人全員が合意して遺言書と異なる分け方をすることが可能な場合があります。ただし、受遺者、遺言執行者、相続人以外の関係者がいる場合には、その同意や遺言内容の確認が必要になることがあります。

円滑に遺産分割協議を進めるためのポイント

遺産分割協議を円滑に進めるためには、次のような流れで進めるとよいでしょう。家庭裁判所の遺産分割調停でも、相続人の範囲、相続財産の範囲、遺産の評価、具体的な分割方法などが問題となるため、協議段階でもこれらを整理しておくことが重要です。

遺産分割の手順

STEP
相続人の調査

遺産分割協議には、法定相続人全員の参加が必要です。
被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本などを取得し、相続人を漏れなく調査します。

1人でも相続人が漏れていると、遺産分割協議が無効となるおそれがあるため、慎重に確認する必要があります。

STEP
相続財産の調査

次に、被相続人にどのような財産があるのかを調査します。預貯金、不動産、有価証券、自動車、貴金属などのプラスの財産だけでなく、借金、ローン、未払い税金、保証債務などのマイナスの財産も確認します。

相続財産の調査は、相続人自身で行うこともできますが、財産の種類が多い場合や不明な財産がある場合には、専門家に依頼することも検討するとよいでしょう。
財産調査にかかる期間は事案によって異なりますが、数か月程度を見込んでおくと安心です。

STEP
遺産の評価

不動産や非上場株式などが遺産に含まれる場合には、その評価額をどのように考えるかが問題になります。

遺産の評価は、公平な遺産分割を行ううえで重要です。特に、不動産や非上場株式は評価方法によって金額が大きく変わることがあるため、必要に応じて不動産会社、税理士、弁護士などの専門家に相談するとよいでしょう。

STEP
遺産分割協議

相続人と相続財産を確認したうえで、相続人全員で遺産の分け方を話し合います。

遺産分割は、法定相続分を参考にしながら進めることが一般的ですが、相続人全員が合意すれば、法定相続分と異なる割合で分けることも可能です。

また、必要に応じて、特別受益や寄与分についても話し合います。これらは争いになりやすいため、主張する場合には、客観的な資料を準備しておくことが重要です。

STEP
遺産分割協議書の作成

遺産分割協議がまとまったら、合意内容を遺産分割協議書として書面にまとめます。

遺産分割協議書の作成自体は、常に法律上の義務となるわけではありません。しかし、後から「合意していなかった」などの主張が出てトラブルになることを防ぐためにも、遺産分割協議書を作成しておくことが重要です。

また、不動産の相続登記、預貯金の払戻し、株式の名義変更、相続税申告などの手続で、遺産分割協議書の提出を求められることがあります。

遺産分割協議書には、通常、相続人全員が署名し、実印で押印します。また、相続人全員の印鑑登録証明書を添付することが一般的です。

遺産分割調停に進むタイミングは?

相続人同士で遺産の分け方について合意できない場合や、当事者同士での話し合いが難しい場合には、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることを検討します。

遺産分割調停では、調停委員会が間に入り、相続人の意見を聴きながら合意による解決を目指します。調停では、当事者が直接顔を合わせない形で進められることもあります。

調停で合意できない場合には、遺産分割審判に移行し、裁判所が遺産分割の方法を判断します。

共有物分割訴訟について

遺産が相続人の共有状態になっている場合、その共有関係の解消は、原則として遺産分割手続によって行います。

もっとも、共有物の持分が相続財産に属する場合で、相続開始から10年を経過したときには、例外的に共有物分割の手続によることができる場合があります。

ただし、共有物分割の請求があった場合でも、相続人が一定期間内に異議を述べたときは、共有物分割手続ではなく、遺産分割手続によることになります。

この制度は複雑であり、遺産分割手続と共有物分割訴訟のどちらによるべきかは事案によって異なります。不動産共有が問題となる場合には、弁護士に相談して方針を検討するとよいでしょう。

遺産分割協議について弁護士に相談するメリット

遺産分割協議に不安がある場合や、相続人間で対立がある場合は、早めに弁護士へ相談することを検討するとよいでしょう。遺産分割協議そのものに明確な期限はありませんが、相続に関連する手続には期限や消滅時効があるため、早めに対応することが重要です。

弁護士に相談することで、次のようなサポートを受けられる場合があります。

  • 遺産分割協議において、依頼者に代わって他の相続人と交渉すること
  • 遺産分割協議書の作成やチェック
  • 必要に応じた税理士、司法書士など他専門家との連携
  • 遺産分割調停や審判への対応
  • 特別受益、寄与分、遺留分など法的な争点の整理

相続人間の話し合いが難しい場合や、財産内容が複雑な場合には、弁護士に早めに相談し、方針を確認しておくことで、手続を進めやすくなることがあります。

遺産分割でお困りの場合は弁護士法人シーライトへご相談ください

遺産分割協議には、民法上の明確な期限はありません。しかし、相続税申告、相続登記、相続放棄、遺留分侵害額請求、特別受益や寄与分の主張など、相続に関連する手続には期限や制限があります。

遺産分割協議を先送りにすると、相続税の申告・納税に支障が出たり、税制上の特例をすぐに使えなかったり、相続登記の期限に間に合わなかったりする可能性があります。また、時間が経つほど相続人が増え、話し合いが複雑になることもあります。

円滑な相続のためには、相続人や相続財産を正確に把握し、早めに話し合いを進めることが大切です。必要に応じて、弁護士、税理士、司法書士などの専門家に相談することも有用です。

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