父が亡くなり、母が遺産をすべて相続しました。その後、母も亡くなりました。相続人は私と二人の兄の三名です。母は遺言書を作成しており、その遺言書には、「長男に遺産をすべて相続させる」と書いてありました。
母は、父の相続の時に自宅を相続した後、施設に入るために自宅を売却しており、6000万円ほどで売れたはずです。母と長男は財産管理契約を締結して、母は兄に通帳と印鑑を 渡していたようです。私が兄に通帳の開示を求めたところ、拒否されました。
母の遺言も兄が書かせたような気がします。遺留分侵害額請求権を行使しようと思うのですが、通帳の残高がわからない限りは、遺産額がわからず、遺留分がいくらなのかわかりません。どうすればいいでしょうか?

※ 当事務所で実際にご相談を承った事案ですが、プライバシー保護やわかりやすくお伝えするために、内容が大きく変わらない範囲で、事実関係を変更しています。
弁護士からの回答
まず、銀行預金の残高開示や入出金履歴の開示は、各相続人が単独でできます(最判平成21年1月22日民集63巻1号238頁)。ただ、出金したお金を何に使ったかは、お兄様でないとわかりません。弁護士をいれて任意交渉するか、それに応じなければ、裁判で説明を求めていく必要がある旨を説明しました。
次に、お母様の遺言能力について、ご相談者様に確認したところ特に認知機能について問題はなさそうでした。強迫して「お兄様が遺言書を書かせた」という事情でもない限り遺言 は、無効にならず、そのような事情の立証は難しいとお伝えしました。
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