10数年以上音信不通だった相手方との遺産分割を解決した事例

60代 女性 神奈川県

被相続人
被相続人との関係
相続財産不動産
遺言の有無無し
主な問題点・相続発生後十数年経っても相手方と連絡が取れず、話し合いができない
・遺産不動産を処分したい
手続き調停 審判
目次

背景

ご依頼者のお父様がご逝去されて、相続が発生いたしました。法定相続人はご依頼者とその弟様のお二人です。

遺言書がなかったため、ご依頼者が遺産分割について弟様と話し合おうと、手紙を送ったり、弟様の自宅を訪ねたり、電話をしたりとさまざまな方法で連絡を試みましたが、直接やりとりができない状態が続いていました。

また、遺産不動産が長期間空き家となっていたため、市役所から対応を求める連絡が複数回あり、早期に不動産売却等を進める方法がないか、ご相談にいらっしゃいました。

主張

  • 相手方との連絡・交渉を代理してほしい。
  • 遺産不動産を処分したい。

解決までのながれ

ご依頼を受けた後、相続人・相続財産調査を行ったうえで、相手方へ遺産分割案をお送りしましたが、相手方からは回答がありませんでした。

そこで、家庭裁判所へ遺産分割調停を申し立てることにしました。遺産分割調停が始まりましたが、相手方は調停期日にも出頭されませんでした。そのため、当事務所において、調停に代わる審判条項案の作成や、付郵便送達のための住居所調査等を行い、相手方が出頭しない状況でも適法に手続を進められるように準備を行いました。その際、ご依頼者が単独取得をする予定の遺産不動産の評価額が問題となりました。仮に遺産不動産が高額であると評価された場合には、ご依頼者が相手方へ支払う代償金の金額も高額になってしまいます。

そこで、当事務所は不動産業者に協力を依頼し、遺産不動産にはさまざまなマイナス評価の要因がある事実を具体的に示したうえで、不動産の個別事情を踏まえると、一般的な市場価格よりも低い価格で評価されるべき事情があることを家庭裁判所に具体的に主張しました。
その結果、適正な評価額を前提とした代償金を支払う形での代償分割の方向で、手続を進めることができました。

結局、相手方は調停期日に出頭されなかったため、当事務所が作成した調停に代わる審判条項案をもとに、家庭裁判所に調停に代わる審判を出してもらい、その後、不動産売却手続を無事に行うことができました。

結果

調停に代わる審判を経て、処分したい遺産不動産を売却することができました。

担当弁護士の所感

本件は、弁護士からの連絡にも家庭裁判所からの連絡にも、相手方が応答してくれないケースでした。このような場合であっても、遺産分割調停において「調停に代わる審判(家事事件手続法284条)」をしてもらうことで、相手方が応答せずとも遺産分割手続きを完了できる可能性があります。

「調停に代わる審判」とは、調停が成立しない場合に、家庭裁判所が当事者双方の事情を踏まえて、職権で一定の解決内容を定める手続です。 調停に代わる審判は、当事者が審判の告知を受けた日から2週間以内に異議申し立てがなされなければ確定し、確定判決と同じような効力が生じます。

今回は、不動産という比較的分けにくい財産が主な対象でしたが、必要な法的手続を適切に進めることで、最終的に売却処分まで実現することができました。

長年解決できずにいた問題について弁護士にご依頼いただくことで、たとえ相手方の協力や合意が得られない場合であっても、法的な手続を踏んで解決へ導くことが可能であると示すことができた事例です。

他の相続人と連絡が取れずに何年も相続問題が解決せず、遺産不動産が放置されたままでお困りの方は少なくありません。

ご自身での解決が困難だと感じられたら、一度弁護士にご相談いただくことをお勧めいたします。

この案件の担当弁護士

弁護士法人シーライト

弁護士 塩谷 恭平

ご相談をしていただいた方の抱えるご不安に誠実に向き合い、できるだけ専門用語を使わずに丁寧に説明を行って、弁護士がどのようなことをサポートできるのかを明確にすることを常に心がけています。

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