お互いの不信感により解決できないままになっていた遺産分割を、弁護士が介入することで不動産の相続分を金銭で取得し解決できた事案

30代

女性

東京都

被相続人との関係
主な遺産預貯金・不動産
遺言の有無
主な問題点遺産分割
手続協議
INDEX

背景

祖母が亡くなったところ、ご相談者の父は亡くなっていたため、代襲相続が発生し相続人になったので依頼したいとのことでご相談にいらっしゃいました。 相続財産については、祖母が住んでいた自宅の土地建物以外は、預貯金等その他の財産はどこに何があるか全くわからないという状況でした。そのため、すぐにでも財産調査から遺産分割までを依頼したいということでしたので、その場でご依頼いただきました。

関係図

主張

  1. 直接やり取りをすると、感情的になって話が進まなくなってしまうし、仕事のため多忙なので、相手方とのやりとりを代わってもらいたい。
  2. 相手方への不信感があるため、祖母の預貯金口座における生前のお金の出し入れについて取引履歴を入手・分析し、不明点について相手方へ質疑を行い、事実関係を多少なりとも明らかにしてもらいたい。
  3. 不動産の相続分を金銭で取得したい。
  4. 不動産以外に判明した相続財産があれば、法定相続分で取得したい。

というご要望をいただきました。

解決までの流れ

まずは、亡くなった被相続人の生活圏内にある主要銀行など、可能性のある金融機関を複数あたり、取引履歴の開示を進めました。その結果、いくつかの金融機関に預貯金があることが分かりました。

亡くなった被相続人は、入退院を繰り返しており、財産管理は実質的に、祖母と同居していた伯母が担当していた節が見られました。そのため、伯母が把握している財産について、金額の大きい不明な出金について、被相続人の入通院状況についてなど、伯母に書面で質問を繰り返しながら、不明点を解消していきました。この伯母への聞き取りと並行して、不動産の価格調査を行いました。

質問に対する伯母からの回答及び財産調査の結果、ご依頼者の父が生前贈与として相当額の金銭を受け取っていたことが判明しました。その実態は、もともと祖母が持っていた預貯金を伯母、伯父、父の3人兄弟で3等分することとし、伯父と父が先んじて受け取っていた(伯母はその時点では受けとらなかった)というものでした。

今後の方針についてご依頼者とお打ち合わせをした結果、生前贈与された金銭は預貯金を3等分したものであり、不動産が計算に入っていないことになりますので、こちらの相続分を全て伯母に譲る代わりに、伯母から不動産評価額のうちご依頼者の法定相続分に相当する金銭を代償金として受け取る方向で進めて行くこととなりました。

伯父も伯母もそれぞれが遠方ということもあり、話し合いが付かずに遺産分割調停を裁判所に申し立てる場合、裁判所が遠方になってしまう可能性があります。本件で言えば、東北の裁判所になる可能性がありました。

また、主な争点は不動産でしたが、その不動産には既に伯母が住んでいるということでしたし、伯母が相続する預貯金で代償金がまかなえる見込みもありましたので、伯母に相続分を買い取って貰うことがスムーズだと判断しました。

相続に関して当事務所にご相談されたい方は、お電話もしくは、お問い合わせページよりご連絡ください。

結果

方向が決まったところで、伯母へ不動産評価額の調査結果を踏まえた提案を行いました。
解決を目前にして、相手方、ご依頼者それぞれに、宝飾品の形見分けについて希望があるというお話しが出てきましたので、それぞれの宝石や貴金属などの金額の算定も行ったうえで、どれを誰が譲り受けるか、その場合の代償金はいくらかという取りまとめも合わせて行いました。

その結果、伯母から当方の提案どおりの代償金と宝飾品の一部を受け取ることで、本件は解決となりました。

交渉前当事務所へ依頼後
0円当方提案額の代償金と宝飾品

担当弁護士の所感

遺産分割協議では、相続人全員と侃々諤々の議論で揉めそうな場合、相続人全員とではなく一部の相続人と話を付けて自己の相続分を代償金で清算してしまうというのもひとつの手です。

例えば、複数の相続人がいるものの、唯一の相続財産が不動産のみという場合で、既にそこに住んでいる相続人がいる場合、その人に代償金を支払うだけの財産があれば相続分を買い取ってもらい、先んじて遺産分割手続から離脱することもできます。

本件では、伯母だけでなく伯父も遠方に住んでいましたので、伯父を交えて交渉を進めていくよりも、伯母と話を付けて解決する方が迅速に話が進む旨、ご提案させていただきました。

また、本人同士では話し合いがうまくいかない場合でも、代理人弁護士からの連絡であれば話し合いが進んでいく場合もありますので、やみくもに遺産分割調停の申立を起こせばいいというものではありません。まずは相手方へ質問点を投げかけてみて、相手が質問に応じてくれる姿勢を見せた場合には、話し合いで解決するという方法もあります。うまく話が進めば遺産分割調停を申し立てずとも、言わば示談のように穏便に解決することもできます。

本件は、こういった解決の好例であると言えましょう。同じような状況でお悩みの場合には、早期に専門家へご相談なさることをおすすめいたします。

当事務所では、相続のご相談は、初回相談料を50分間無料とさせていただいております。また、ご面談では、ご相談にいらした方のご要望を伺いながら、法的な観点から解決に向けた方針をご提案しております。

  1. 相続財産である不動産に現に住んでいる相続人がいる。
  2. 相続財産となった不動産はいらないので、代わりにお金をもらいたい。
  3. できれば調停や裁判をしないで穏便に解決したい。

このようなご要望がある場合、ご相談の際にぜひお聞かせください。ご要望を踏まえて、法的なアドバイスをさせていただきます。

この案件の担当弁護士

弁護士法人シーライト

代表弁護士 阿部 貴之

相続の話し合いは、ほんの些細なきっかけから揉めてしまうことが意外と多いです。そのような場面で少しでもお力になるべく、初回相談は無料とさせていただいております。

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