遺言書に自分以外の相続人に「実家の不動産をすべて相続させる」と書かれていて納得できない!

資産家である被相続人が残した直筆の遺言書に「貸しビルは〇〇に全て相続させる」と書かれており、自分以外の相続人が不動産の全てを相続するという不平等な内容の場合、これは法的に許されるのか?また、この遺言内容に対して対抗策はあるのか?
解説したいと思います。

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「貸しビルは〇〇に全て相続させる」と直筆で書かれた遺言書は有効か?

自筆で書かれた遺言がある場合、それを自筆証書遺言と言います。自筆証書遺言の要件は以下となります。

① 全文自筆で書かれていること

② 日付が記載されていること

③ 署名捺印がなされていること

また、遺言者(被相続人)が遺言作成時に判断能力があることが前提となります。
これらの要件を満たしていれば自筆証書遺言は有効となります。

自筆証書遺言を封印する必要はありませんが、封印のある遺言書は、家庭裁判所において相続人またはその代理人の立会いがなければ、開封することができません。
家庭裁判所外で開封した場合は、5万円以下の過料に処されますので注意が必要です。もし、封印された遺言書を見つけたときは、その場では開封せず家庭裁判所に遺言検認手続を申立てるべきです。

検認とは、遺言書の原状を保全する手続きのことです。ちなみに検認を受けたかどうかは遺言の効力とは関係がありませんので、検認を受けたからといって遺言の有効性が確認されたことにはならない点は注意が必要です。

遺言書が有効の場合

たとえ「貸しビルは〇〇に全て相続させる」という不平等な遺言の内容であっても遺言が有効である場合には、その遺言は認められます。
仮に、貸しビルといった不動産以外の預金や株式、投資信託といった他の遺産が存在し、そういった遺産を相続した場合でも、明らかに自分以外の相続人の方が取り分が多く、自身の取り分が少ない時には、どうしたらいいのでしょうか?

取り分が少ない相続人の救済制度「遺留分」

遺言が有効であり、そこに書かれた結果だから仕方がないように思えますが、このような遺言によって、あまりにも取り分が少ない相続人がいる場合、それを救済する制度が「遺留分」となります。

遺留分とは、「一定の相続人が相続できる最低限の取り分」のことです。遺言や生前贈与により、遺留分を下回る場合に、請求することが可能です。
しかし、注意しなければいけないのが、遺留分が認められている相続人は、放っておいても当然にもらえるということではありませんので、遺留分を請求しなければ、遺言のとおりに相続されてしまうことになってしまいます。

遺留分侵害額請求権(旧称:遺留分減殺請求権)

遺留分侵害額請求権とは、遺留分を侵害された相続人が、贈与または遺贈を受けた者に対して、その財産の取り戻しを請求することをいいます。

遺留分侵害額請求権は、相続の開始と遺留分を侵害する贈与または遺贈があったことを知った時から、1年以内に行使しなければいけません。
注意すべき点は、遺留分権利者が相続開始を知ってから1年間にあてはまるとしても、相続開始の時から10年が経っている場合には、時効によって消滅しますので、早めご対応をおすすめします。

遺留分に関する弁護士へのご相談ください

遺留分侵害額請求に対しては「土地の評価額がそんなに高くはない」「まだ借金が残っている」などと相手側から反論されてしまう可能性もあります。
遺言書と遺留分に関するトラブルやお悩みがあれば、弁護士法人シーライトにご相談ください。

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